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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

メソート宝石買い付け 2日目

バンコク宝石仕入れ情報、、メソート宝石買い付け 2日目

2012年11月24日、ミャンマー国境の町メソートでの宝石買付2日目です。今回の買い付けで2名の日本人に会いました。2人とも宝石業界出身ではなく、宝石や鉱物の愛好家の様です。インターネットの普及もあり、一般の鉱物愛好家がバンコクや国境の宝石集散地を訪ねる姿を最近よく見かけます。一方でプロの宝石バイヤーの姿はメッキリ減りました。これも時代の変化なのかもしれません。

メソートはヒスイ、スピネル、スターコランダム等のミャンマー産の宝石集散地として有名で、原産地の価格で安く購入できるメリットがあります。しかし、天然石、処理石、プラステック、ガラス等も混在して販売されているので、宝石鑑別の知識を習得していないと、痛い目をみる上級者向けの買付地帯です。

実際に今回の買い付けで日本人の鉱物愛好家が含浸ルビーを購入している場面を見ました。価格の安さに魅かれて購入すると、処理石や模造石を誤って購入する恐れがあるのです。含浸ルビーはバンコク又はチャンタブリから運ばれたもので、バンコクの方が遥かに安く購入できます。

商品の価格は原産地に近づけば安くなりますが、偽物をつかまされる等の鑑別上のリスクは、原産地に近づけば近づくほど飛躍的に高まることを認識するべきです。これはチャンタブリやヤンゴン、マンダレー等の原産地に近い宝石集散地でも同様のリスクがあります。

日本人が宝石鑑別上のリスクを回避したい場合は、専門知識があり、商品に関してしっかりとしたコンセプトをもった、信頼性の高い卸業者(バンコクや御徒町、甲府等の)との取引を勧めます。原産地での直接取引はハイリスクハイリターンであると認識すべきです。

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朝11時頃のメソート宝石市場の様子です。宝石市場は10時頃からはじまりますが、午前中はブローカは少ないようです。

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午後13時のメソート宝石市場の様子です。13時から15時くらいまでが最もブローカーの数が多く、取引が盛んです。宝石ブローカーとは、会社に属していないフリーの営業マンの事で、この地域のブローカーはミャンマー人が大半です。使用言語はタイ語が中心です。

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ショウケースの中には様々な石が散在しています。石名を尋ねると天然石又は合成石などは比較的正確に教えてくれますが、石名がわからない時は『石』とだけ言われます。ミャンマー人ブローカーは専門的な鑑別の勉強をしているわけではないのでやむ得ない事でしょう。

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ジェダイトのパーセルです。価格は完全交渉制です。ロウカン品質のジェダイトは滅多に見かけません。以前、プロの日本人ヒスイバイヤーから聞いた話では、ロウカン品質と出会うのは、正に運次第で、最低1週間はメソートに滞在しなければ、納得できる品質のヒスイを見つかる可能性は低いとの事です。

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原石やスターコランダムの取引も盛んです。ロウカン同様に最高品質のスタールビーやミャンマー産ロイヤルブルーサファイアは滅多に見る事はありません。コランダムの世界的集散地バンコクでは、商品探しに特殊なノウハウを持つ専門業者も多く、高品質な商品やレアストーンが見つかる可能性が高いです。しかし、原産地の買い付けでは、高品質な商品の買い付けは困難を極め、これらの商品が如何に希少性が高いか再認識させられます。

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一見天然石の原石の様に見えますが、中身はガラスの加工品です。ブローカーに石名を確認した所、タイ語でガラスと正直に答えてくれました。
 
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ショウケースの中には天然石、処理石、ガラスが混在しています。天然コランダム、水晶系等の石の他に含浸ルビープラステック模造石等が入っていました。

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こちらはショウケースに入っていた模造キャッツアイ

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側面を確認すると、蜂の巣の様な模様が確認できます。模造キャッツアイの証拠です。価格が非常に安く、模造石の適正価格ですので売り手も『騙した』と言う認識はないでしょう。

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工事現場で使用するヘッドライトは、原産地買い付けで私が好んで使うアイテムです。見た目は格好悪いですが、両手が使え、品質確認や宝石鑑別にも役に立ちます。

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ヘッドライトを使って色帯の確認をしています。この石は目視検査だけではヒスイとよく似ており、ニセモノの模造ガラスかと思いましたが、色帯の特徴からグリーンカルサイトではないかと推察されます。グリーンカルサイトはミャンマーの石ではなく、バンコクで頻繁に見かける石ですので、おそらくバンコクから持ち込まれた石でしょう

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宝石取引は路上でも盛んに行われます。価格交渉で合意すればその場で現金取引になります。

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タイ人バイヤーが積極的な買い付けをしていました。買いの良いバイヤーには多くのブローカーが集まってきます。宝石買付はバイヤーとブローカーとの戦いの場です。バイヤーは市場性や価格、宝石鑑別等を瞬時に判断して、手際よく買い付けしなければなりません。仮に買い付けを失敗しても、全て自己責任で処理し、返品や商品交換をブローカーに要求してはいけません。

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夕方のニュースでバンコクにて反政府デモが発生し、警察が催涙弾などでデモ隊の鎮圧をしている映像が流れていました。バンコクで治安維持法が適応され、首相の特別放送をする報道が流れていました。

しかし、これらのニュースに関心を持つ人は少なかったようです。バンコクにいる家内に安否の確認電話をしましたが、バンコクは特別変わったことはなく、心配しなくてよい、との事です。報道されるニュースと実際に起こっている現実があまりにかい離しているので、既に関心がなくなっているのかもしれません。その後,話題の矛先が変わって、家内からは『それより貴方の方が心配だ』と遠回しに浮気禁止をほのめかす警告をされました。

家内にとっては遠くの政治問題よりも、身近な性事問題の方が重要なのでしょう。

2日目の買い付け終了。
21時15分発バンコク行きのバスで帰宅します。到着は午前5時です。


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  1. 2012/11/25(日) 16:36:28|
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