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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

最近10年間のブルートパーズの相場

バンコク宝石仕入れ情報、、、最近10年間のブルートパーズの相場

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左からスカイ、スイス、ロンドンのブルートパーズ

ブルー系の宝石はブルーサファイア、アクアマリン、タンザナイト等、その他数種類ありますが、10ct以上の大粒サイズの場合、どの石も例外なく高価になります。しかし、ブルートパーズの場合、メレーから20ct以上の大粒石でも安定した供給量があり、色が一定して、インクルージョンがないので安定した品質の石を確保しやすいので、比較的安価で手に入ります。

したがって、ブルートパーズは、宝石業界では量産物、企画物と呼ばれるシルバーや上代10万円以下のファッションジュエリー等に使用される傾向があります。アクアマリンやブルーサファイアの様なブルー系の宝石に比べ、手頃な価格でジュエリーを楽しめる人気の半貴石です。

バンコクではブルートパーズのみを扱う専門業者が4~5社あり、弊社もこれらの専門業者から原石やカット石の仕入れをしています。専門業者が僅か4~5社しかないのは理由があり、ブルートパーズはホワイトトパーズを照射処理して色調を変化させますが、照射工程に高いノウハウが必要で、照射に時間もコストもかかるので、専門業者でなければ扱えない商品なのです。

例えば、スイスブルートパーズの場合、アメリカやドイツの照射工場に原石を送ります。照射の最低原石ロットが50KGで、半年~9か月の照射をしますので、その期間は販売が出来ず、コストも時間も大きな負担になります。更に大量の在庫を抱えないと卸販売が出来ない商品の為、アメジストやガーネットの様に5KG程度の僅かな原石保有で商売が出来るビジネスとは違います 。

一方で、スカイブルートパーズの場合は、照射期間が2週間程度で、原石最低ロットも2KG程度、更にタイ国内で処理工場があるので、弊社の様な小工場でも対応可能になります。

ブルートパーズは5ct以上のサイズ価格がこの数年間でドルベースで4倍に高騰しました。
高騰の要因に外国為替、原石価格高騰、処理価格の値上げ、研磨工賃の高騰等が挙げられます。

外国為替は10年前は1ドル=42バーツでしたが現在は1ドル=29バーツと40%もバーツ高になっています。

原石価格高騰については、10年前はスリランカやブラジルより安価で良質な原石が大量に入ってきましたが、スリランカ、ブラジル産の大粒で良質な原石産出が減少し、価格高騰しました。5ct以下のカット石が研磨できる小粒の原石は現在でも安定供給されていますが、大粒原石については価格高騰しています。

宝石集散地であり、研磨地でもあるタイ、インド、中国で経済発展するとともに工賃価格が急上昇しています。
タイでは昨年政府主導で最低賃金が40%も上がり、物価も上昇したインフレ状態になっています。この傾向は他国も同様で、各国で賃金が上昇しているようです。

アメリカの照射業者が価格を大きく値上げしたり、様々な要因が重なってブルートパーズの価格がこの10年で大きく上昇しました。

これはブルートパーズに限らずガーネットやペリドット、トルマリン等の他の石でも同様に10年前と比べ、1.5倍~3倍程度ドル建て価格が大きく上昇しています。

一方で日、欧米等の先進国では、不景気の影響もあり、中級品の売れ行きが伸び悩み、レアストーンを使った高級品か、上代3千円程度の製品に需要が2極化しており、インクルージョンの多い低価格のルースが人気を呼んでいるようです。

インド、中国、タイの主要研磨地が豊かになるのは良い事ですが、工賃価格が急上昇しており、宝石価格が急上昇しています。価格維持のために原石のランクを下げて研磨する工場も増えていますので、インクルージョンの多い商品も飛躍的に増えています。仕入れ価格のみを重視していると、低品質な商品を勧められますので、インクルージョンの無い良いものを仕入れたい場合は注意してください。


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  1. 2013/04/18(木) 10:42:21|
  2. バンコク宝石仕入れ情報
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