FC2ブログ

宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

中国 広州宝石買い付け紀行

バンコク宝石仕入れ情報、、、中国 広州宝石買い付け紀行

2014年8月23日~26日まで中国の広州に宝石仕入れに行きました。
私にとっては初めての広州買い付けであり、同業者のバイヤーさん達から、世界中のバイヤーは広州に集まり、バンコクの業者ですら広州で商品を買い付けており、商品量、価格ともに広州は凄いぞ!と、聞かされていました。

今回の仕入れの目的は、下記の通りです。
①染色ジェダイトの原石購入(この原石はバンコクで仕入れ困難なため)
②バンコクで入手困難な半貴石の原石購入
③市場調査(バンコクと広州の価格や商品の違い)

china1.jpg
広州宝石仕入れ地帯の地図です。
私の買い付けスタイルは、初日は徹底して歩く事、店一軒、一軒の商品在庫と価格を市場調査して、買い付け目的の商品を探します。本格的な商品買い付けは市場調査が終わった2日目にします。今回の買い付けの第一の目的は染色ジェダイト、第2希望が半貴石の原石です。玉器市場(ヒスイ市場)長寿路玉器街、,華林国際(A館~E館)、リーワン広場 を店一軒々々、裏路地も含め徹底して歩きます。初日だけで10時間は歩きっぱなしです。

china2.jpg
玉器街(ヒスイ市場)数千件のヒスイ業者が軒を並べる巨大市場です。9割以上の業者が天然ジェダイトやメノウを扱い、1割が模造品やグリーンカルセドニー等のヒスイ類似石を販売しています。価格を確認すると、、、高いです!。私はミャンマーのマンダレー市場やタイ国境のメソート市場で買い付けしているので、私の買い付け価格と比較すると大分高値に感じます。中国式の特殊な値切り方があるのか、否かは不明ですが、最初の価格提示は非常に高い印象です。

china3.jpg
長寿路玉器街、イスラム系の女性が原石を販売しています。ネフライトの産地はトルキスタンですので、ウイグル系の方ではないでしょうか。ほとんどの市場で英語は全く通じません。価格交渉は難航を極めます。

china4.jpg
裏路地を入るとヒスイ彫刻専門の工房やジュエリー工房をたくさん見かけます。

china9.jpg
ヒスイの原石、おそらくネフライトではないかと思います。中国語しか通じないので石名の確認はとれません。この市場では骨董品やジェダイトの原石等も販売されていました。骨董品はバンコクチャトチャック市場の骨董通りと全く同じ商品です。

china5.jpg
華林国際館の地下一階にジェダイトの原石取引所がありました。
品質は玉石混合で質の良い原石も多くありました。ヒスイの原石の品質確認方法は特殊で、まぐろの仕入れとよく似ています。まぐろは尾ひれを切断し、その部分から中のトロの状態を想像して仕入れをしますが、ヒスイも同様に原石の一部分だけを研磨し、その僅かの部分から中身を想像します。まさに過去の買い付け経験のみが判断基準になり、失敗すると大損が出るギャンブル性の高い買い付けです。

china6.jpg
有名なリーワン市場、パワーストーン、原石、ルース等が販売される巨大市場です。ここまで6時間以上歩き続けていますが、目的の商品が一つも見つかっていません。内心では買い付けに来る場所を間違えたのではないか、、と焦り出しています。リーワン市場は外国人バイヤーが多く訪れるので、英語が多少通じます。意思の疎通が可能なので外国人でも買い付けしやすいです。目的の商品がまだ見つかっていないので、一縷の望みをもって一軒々々しらみつぶしに聞きまわるしかありません。

china7.jpg
目的の商品発見!数千店以上の業者が軒を連ねるリーワン市場で一店舗だけ扱う店がありました。8時間近く歩き回り、奇跡的に見つかったので、クタクタになりそうな安堵感におそわれます。しかし、価格交渉では、この様な態度を顔に出してはいけません。足元を見られないように、ポーカーフェイスで多少横柄な態度で交渉にあたります。交渉の秘訣は『俺はバンコクのビックバイヤーだ!この交渉で俺を逃せばお前は一生後悔するぞ!。今日は少量しか買わないけど、次回の注文はたまげる様なビックオーダーがくるぞ!』と言う大口は必ずたたきながら交渉します。相手はロット買いでなければ売らないと強引に交渉してきます。

今回少量しか買わないのは、染色ジェダイトか染色クォーツアイトかが原石時点では判断が難しく、研磨して屈折率を測定しなければ、どちらの石か鑑別できないからです。バンコクに持ち帰った商品を研磨して、屈折率を測ってみると1.55で染色クォーツアイトと言う結果に終わりました。もう広州では見つからないので、香港か別の取引先を探さねばなりません。バンコクのある業者が染色ジェダイト(染色クォーツアイトは不可)であれば定期的に原石を購入するとの確約が有ったので広州まで探しに来ましたが、儲け話は右から左へと簡単には行きません。広州行き最大の目的は失敗に終わりましたが、高い授業料を払って一つ勉強しました。

china8.jpg
華林国際館はA館~E館まであり、主に翡翠を扱う巨大なショッピングモールです。リーワン広場も含め、今回の買い付けで、日本人バイヤーとは一人も会えませんでした。外国人バイヤーも僅かに居るくらいで、中国人の国内バイヤーやエンドユーザーがメインのターゲットでしょう。ヒスイの他にキャラ等の香木販売するお店が沢山ありました。上の階では画像の様にお客さんの数は少なく、中国もバンコクと同様に不景気で外国人バイヤーが激減する厳しい現実があるようです。

china10.jpg
仕入れも終わり、時間が余ったので道具屋さんを探索、これは穴あけ機です。バンコクでは超音波穴あけ機が約10万円、ドイツ製の穴あけ機が30万円します。この機械の価格を確認すると3万円です。細かい使用方法を聞きたかったのですが、説明が中国語で全く理解できず断念しました。もっとも機械は性能や耐久性が最も重要ですので、使ってみなければ何とも言えませんが、値段の安さはとても魅力的です。

china11.jpg
3日目はアクセサリー市場の泰康城や万菱市場の見学です。驚いたのは、両市場ともにバンコクのサンペーン市場と生き写しの様に同じです。商品のラインナップや買い付け方法、取引ロットもバンコクのサンペーン市場と同じです。価格は広州の方が若干安い印象がありますが、バンコクからわざわざ来るほどの価格的な魅力はなさそうです。

両市場でタイ人は一切見なかったので、中国国内でタイ人が買い付けに来る別の市場があるのではないかと推測します。リーワン市場やヒスイ市場など、どの市場を見てもバンコクの市場価格と比較しても若干安い程度でしかなく、半貴石のルースにいたっては、バンコクから輸入したのではないか?と思われるほどバンコクの方が価格も質も魅力があります。

バンコクはこの数年海外バイヤーが激減ししており、外国人バイヤーは中国に買い付けに行っているのではないかと勘違いしていました。バンコクは商品量や価格等、全てにおいて中国に太刀打ちできないと思い込んでいましたが、バンコクの方が勝っている部分も多くあり、買い付け市場としての魅力は、中国の対抗馬として良い勝負が出来ると思います。外国人バイヤーが激減しているのは、欧米市場が疲弊しているのが原因で、別の国の市場に買い付け場を移しているわけではないのでしょう。

一方で、タイのサンペーン市場やチャトチャック市場のタイ人バイヤーが中国に買い付けに行っているのは事実ですので、広州以外の激安の市場が中国国内のどこかに必ずあるはずです。もっと情報を集めて奥地に入らなければなりません。

ジュエリー・時計 ブログランキングへ
スポンサーサイト



  1. 2014/08/28(木) 11:31:36|
  2. バンコク宝石仕入れ情報
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ