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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

メソート 国境での宝石買付

バンコク宝石仕入れ情報、、メソート 国境での宝石買付

2015年4月4日、今年2回目のタイミャンマー国境の町メソートで宝石買付の出張に行きました。

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メソート宝石街の店舗、この店はヒスイ原石、彫刻、丸玉ビーズの品揃いが多い店です。

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原石の多くは普通の石っころの様な外観です。

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窓、と呼ばれる小さな切込みがあり、ここから品質を判断して購入します。ヒスイの原石買付はマグロの仕入れ方法に良く似ていますが、ギャンブル的なリスクが非常に高く、99%の原石は低品質で使い物になりません。低品質なヒスイも高額で販売されていることが多いので買い付けに注意必要です。華僑のバイヤー間では原石選別に特殊なテクニックがあるそうですが、最後は原石を割ってみなければわからない場合が多いです。

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鉱夫がヒスイと他の石を見比べる時は、手触り、石の温度、重量がポイントになります。ヒスイは石の温度が冷たく、ずっしりと重く、原石表面に若干のキラキラ感があります。ヒスイ鉱夫によると、手触りの感触で内部の品質がわかると言います。

私も試してみましたが、品質まではとてもわかりません。
毎日手に触れている鉱夫だからこそわかる感覚かもしれません。

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ヒスイの原石を割ると、草餅色の原石が出てきました。

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加工すると、この様な草餅色のルースになります。
以前は草餅色のヒスイは低単価に取引されていましたが、最近はミャンマー国内で相場がかなり上がったようです。ミャンマー人ブローカーはヒスイが値上がりしてとても買えないと嘆いていました。

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アップルグリーンのヒスイ、メソート宝石市場にあるルースを全て検品して、40ピース程購入できました。

原産地に行けば安い、と思われがちですが、簡単に仕入れが出来るわけではありません。メソートにあるルースの99.99%が低品質のバッタ物(しかも品質に比べはるかに高額)です。宝石バイヤーは0.01%の良品を探しだす品質を見分ける目と宝石鑑別能力がなければ仕入れは必ず失敗します。

確かな商品を手に入れたければ、エンドユーザーであれば小売店、卸業社であれば御徒町の業者から購入すべきです。仮に値段が高くても、プロによって厳選された確かな商品が手に入ります。原産地に近づくほどリスクが高くなると認識してください。

メソート宝石市場にはヒスイ(ジェダイト)以外の石も多く混在し、模造ヒスイ、クォーツアイト、クリソプレーズ、カルセドニー等の類似石も沢山目にします。最近は樹脂含浸処理のジェダイトも多く出回りだしているので(以前はバンコクや香港市場で目にするのみでしたが、、)注意が必要です。

メソート宝石市場よりも更に原産地に近い市場はミャンマー国内でヤンゴンとマンダレーにヒスイ市場があります。原産地はミャンマーのカチン州です。驚いた事に、ヤンゴンやマンダレーで買い付けをしても安く購入するのは大変難しいと言われています。私自身、何度もミャンマー国内を調べましたが安くて良品のヒスイを見た事がありません。多くの日本人バイヤーに聞いても同様の意見を言います。香港の大手のヒスイ業者は、ミャンマー政府主催のオークションに参加する等、大手の仕入れルートが確立していますが、私の様な個人バイヤーではミャンマー国内の良い仕入れルートは探し出すのは大変難しいのかもしれません。

原産地買い付けは99.99%のバッタ物の中から、掘り出し物探す魅力がありますが、買い付け失敗のリスクが非常に高いので、必ずしも良い買い物が出来るわけではありません。

最近NOBU宝石鑑別スクールに、ミャンマー投資を予定している異業種の方からの受講希望が増えています。受講生の話を聞くと、現地ブローカーからの儲け話の他に、政府高官からの宝石投資話、鉱山の採掘権等の話を持ちかけられる事があるようです。

私は講義の中で誠実に宝石原産地ビジネスの現状を説明していますが、頭の中が儲け話で一杯になっている受講生にどこまで伝わっているかはわかりません。

原産地ビジネスは99.99%のハイリスク、0.01%の高リターンです。
0.01%のハイリターンの魅力に憑りつかれた宝石バイヤーにのみビジネスチャンスがあります。


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  1. 2015/04/07(火) 11:17:50|
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