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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

淡水真珠の価格

バンコク宝石仕入れ情報、、、淡水真珠の価格

NOBU宝石鑑別スクールのジュエリー制作セミナーで真珠の糸替えの実習をしました。
私がアコヤや白蝶真珠と淡水真珠の品質や価格の違いについて講義した時、ある生徒さんから『ネットでは淡水真珠は700円で売っていますよ、、』と指摘されました。確かに、ネットで『淡水真珠 激安販売』のキーワードで検索すると700円台の価格で販売されているサイトが沢山出てきます。

バンコクや中国での淡水真珠の具体的な卸価格や、日本での小売価格などを当ブログで公表する事は出来ませんが、700円の淡水真珠の品質は最低ランクであり、気軽につけるアクセサリーの世界です。最高品質の淡水真珠は卸価格でさえ桁が2つ以上違います。近年中国産の淡水真珠の価格は2倍~3倍に高騰しており、今後は更に価格が上がると言われています。また、、海産のアコヤ真珠や白蝶真珠の価格はさらに大きな価格差があります。その事を生徒さんに説明すると、私の説明より、ネットの価格の方が正しいと勘違いし、最後まで納得してもらえませんでした。

宝石商の端くれを自称する私にとっては、700円の淡水真珠と高級真珠を同列に扱われるのは、呆れるよりも、むしろ悲しくなってきます。例えるならば、和牛の最高級レストランのメニューと、300円で食べれる牛どんやハンバーガーを同列に扱って、どちらがコストパフォーマンスが良いか論じているようなものです。

『買う側のエンドユーザーのレベルが低すぎる、、』と声を大にして言いたい宝石商も多いのではないかと思いますが、原価計算方法を知らないエンドユーザーに責任はありません。実際には販売側の説明不足であり、宝石業界がエンドユーザーから真の信頼を得ていないのが原因だと思います。

現在の小売マーケットではエンドユーザーがネットで価格を調べるのは当たり前の事です。売店サイドが700円の淡水真珠と良品の真珠との価格や品質の差を説明するのは大変な事だと思います。

私はNOBU宝石鑑別スクールの講義で、『宝石と価格の関係』を受講生に講義する時、外食産業の価格を例に出して説明しています。

例えば、、、マグロ料理の値段を例に挙げて説明すると、、

ジュエリーの価格は、、宝石(ルース)の価格+デザイン性+加工代+ブランド性で構成されています。

ルースの価格、、最低ランクと最高ランクでは100倍~1000倍の価格差があります。
デザインと価格は、、シンプルな1個石リングと脇石ダイヤをふんだんに使った取り巻きリングでは大きな価格差があります
加工代は、、職人の技量の事、腕の良い職人が最高のテクニックでじっくりと時間をかけて作った製品はもちろん高いのです
ブランド性と価格は、ハイブランドとノンブランドだけでなく、銀座とバンコク等の地域的なブランドもあります

一方でこれをマグロ料理に例えると
マグロの価格、、赤身とトロの様な品質差以外にも産地等で価格差が出る ←宝石ではルースの価格
レシピ、、寿司とシーチキンサラダ等のメニューで価格が変わる←宝石ではデザイン性の違い
加工代、、職人の技量の事、腕の良し悪しだけで無く、手間暇のかけ方で価格が変わる
ブランド性、、料亭と、町の定食屋の違いで価格が変化する。

ジュエリーは安ければよいものではありません。仮に高額品でもブランド力や石の希少性、加工の技術等、顧客満足度が高ければ値段の高さは問題ないのです。食べ物に例えれば、シーチキンサラダを100円で買っても自慢にはなりませんが、予約の難しい高級店で最高級のマグロ料理を食べれば満足度は高く、一生の自慢話になるのと同じです。

上記の説明の仕方で多くの受講生が、宝石と価格の関係性を納得してくれています。

私がNOBU GEM CUTTING FACTORYを設立した時に、バンコクのある先輩宝石商から『良いものを作ったら、高く売れるんだ、、それを絶対に忘れるな!』と教えられました。私のお客さんは御徒町や甲府のジュエリーメーカーさんですが、お客さんを喜ばせる為に宝石研磨の技術を磨き、妥協なき検品をします。経営者にとって仕入れ価格と利益率は大変重要な問題ですが、利益を削って良い材料で商品を作るとお客さんは喜んでくれます。また、経営者にとって『タイム イズ マネー』は大変需要ですが、仕入れの時は手間暇を惜しまず、20軒でも30軒でも仕入れ業者を探し歩き、良いものを仕入れれば、お客さんは必ず喜んでくれます。

私の知る多くの日本人職人さんは、世界に羽ばたける最高の技術を持ちながら、妥協なき仕事の姿勢を持って『良い商品を作る』事に一生懸命になる方が沢山いますが、実際にクライアントから依頼される仕事は、シンプルで安価な工賃の仕事ばかりが多く、日本の宝石業界にとっては宝の持ち腐れです。たとえシンプルな仕事でも日本人職人は、最高の研磨技術を使って良い商品に仕上げていますが、本音では1000万や1億円級の商品を作って、職人人生の花を添えたいと思っているはずです。

私自身、バブル世代の先輩宝石商の先輩方から、高額品宝石を扱った自慢話をさんざん聞かされ、私もいつかそんな仕事をしてみたいと、羨ましく思っています。

700円の真珠にも手軽に付けれるアクセサリーとしての満足度はあります。一方で、100万円の商品には妥協なき品質と加工技術がある事をエンドユーザーは知るべきです。

『良い商品を作ったら、高く売れるんだ、、、』と評価されたいのはジュエリーの作り手としての心からの願いです。

PS,,宝石と価格の説明で、私はマグロ料理を例に出して説明していますが、食べ物で説明するのは少し下品ではないかと感じています。他に良い説明方法がなかなか思いつきません。良い説明方法があればコメント欄やFACEBOOK等で教えてください。

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  1. 2015/07/19(日) 11:56:19|
  2. バンコク宝石仕入れ情報
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