FC2ブログ

宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

フィレンツェの女性日本人職人

宝石鑑別教室、、、フィレンツェの女性日本人職人

NOBU宝石鑑別スクールに、イタリアから日本人女性が受講にやってきました。
彼女は3日間の短期滞在でしたが、午前午後の連続受講で6回コース(2.5時間)1万バーツの宝石鑑別コースを受講しました

1日目
午前部 インクルージョンによる宝石鑑別、宝石仕入れの基礎知識
午後部 バンコク宝石買付事情、オパール ダブレット、トリプレット、砂糖含浸、スモーク処理、産地別特徴

2日目
午前部 コランダムの含浸処理、産地鑑別法
午後部 宝石研磨実習

3日目 
午前部 コランダム 表面拡散処理、非加熱鑑別法、ベリル系宝石の鑑別
午後部 真珠 品質評価法 母貝特定法、銀鉛処理、照射処理鑑別法

上記が彼女が6回コースで選択したカリキュラムです。
さすがNOBU宝石鑑別スクール!!!、費用対効果抜群で、僅か3日間でこれだけの内容を受講できます。
正直上記の内容を3日間で教える講師は私しかいないでしょう、、、ちょっとだけ、自画自賛しています。

講義の合間にフィレンツェでのプライベートな話を聞きました。
彼女は10年以上前にジュエリー職人を目指してイタリア人職人に弟子入りし、現在は正規雇用でモード系のブランドのジュエリー部門で働いているとの事です。

2~3年程度イタリアで修業し、帰国後にジュエリー職人として日本で働く職人は僅かながらいますが、10年以上フィレンツェに滞在し、ブランドの正規雇用枠で働いている日本人職人など聞いたことがありません。彼女曰く、イタリアでは失業率が50%ちかくあり、イタリア人でも正規雇用は大変難しいとの事です。もちろん、ブランドで働いている日本人は彼女一人との事です。

スマホの画像ですが、彼女が過去に制作した製品を見せてもらいました。
高い彫金技術、妥協しない丁寧な仕事、私は感動で心が震えるような気持になりました。
商品の画像はブランドの守秘義務があり、掲載することは出来ませんが、どれも素晴らしい商品ばかりです。商品の中にはカシミール産と思えるトップクォリティーのブルーサファイア(3ct~5ct程度)が30個以上使用されたネックレスもありました。小売金額は不明ですが、億超えは間違いなくする商品です。

高額品ジュエリーは限られた職人にしかできない夢の仕事です。
最高度の腕をもちながら、良い仕事にめぐり合えない職人は沢山います。日本にも腕の良い職人は沢山いますが、億超えの高額商品を作る機会に恵まれる職人はなかなかいません。

彼女は自宅に工房もあり、プラチナや金の製品作成もしているそうです。プラチナは金に比べ融点が高く、扱いが難しい地金です。ヨーロッパではホワイトゴールドの方が一般的には制作されておりますが、プラチナ用の設備も自宅工房に完備しているようです。更に、彼女のクライアントはほとんど外国人だそうです。驚いた事に、1年先まで予約で一杯との事です。おそらく彼女は日本の宝石業界ではほとんど知られていない存在でしょう。日本語でのクライアントに固執ぜず、英語やイタリア語を駆使して、正に海外を相手に活躍しています。

30代前半でこのキャリア、頭が下がる思いです。
3日間と言う短い間ですが、少しでも彼女のキャリアにプラスになればと思い、精一杯頑張って講義しました。
私自身がキャリアの中で開発したバイヤーのテクニックも出来る限り伝えました。

NOBU宝石鑑別スクールをやってよかったと思うのは、受講生との出会いです。
一人ひとりの受講生が様々なバックグランドを持ち、宝石を勉強しに私のもとに来てくれます。今月は6人の受講生が遠い海外からやってきました。イタリアからきた彼女だけでなく、日本やフランクフルトからもバンコクの小さな私の教室に習いに来てくれます。

受講生にとって最大の関心事は、短期間で最大限の学習成果を得る事です。
宝石に夢を持ち、未来にはばたく受講生の一助になれればと思い、私は常に全力で教えるようにしています。
多くの受講生は一時の出会いかもしれませんが、私は一期一会を大切にしたいと思っています。

はばたく受講生の活躍を陰ながら応援するのは、先生の最大の楽しみです。


タイ(海外生活・情報) ブログランキングへ
スポンサーサイト



  1. 2016/11/11(金) 20:47:29|
  2. 宝石鑑別教室
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0