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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

色帯のある合成アメジスト

宝石鑑別教室、、、色帯のある合成アメジスト

synAME3.jpg
合成アメジストですが、表面から見ると色むらを感じさせます。

synAME2.jpg
石を裏側にして撮影、ハッキリとした色帯が確認出来ます。

合成アメジストは成分的には天然アメジストと同じため、屈折率、偏光器での検査で区別する事は出来ません。
鑑別方法は拡大検査でインクルージョンの確認、色帯の確認になります。多くのアメジストは色帯が高確率で有り、インクルージョンの無いアメジストでも、色帯の確認で天然の確証が得られます。

一方でボリビア産のアメジストの場合、鑑別が大変難しくなります。ボリビア産は色帯やインクルージョンが無い事が多く、天然、合成の決定的な証拠がとれないからです。この様な場合、鑑別的に最難関のテクニックが必要になります。合成石の場合、種結晶に対し平行に色むらででき、種結晶と光軸は成長の過程で決まった方向に出来るので、この理論を利用して検査をします。しかし、この方法は理論も実技も大変難しく、日本で検査可能な宝石鑑定士は数人しかいないのでないでしょうか、もちろん私自身も出来ません。

上記の画像は合成アメジストですが、うっかりすると天然アメジストで判断してしまうほどハッキリとした色帯があります。
仮にこの状態で天然アメジストと判断しても、不可抗力で仕方がない事と思います。

synAME1.jpg
斜めから撮影すると、無色の部分にうっすらと2本の線が確認できます。
こちらが種結晶です。合成アメジストは製造時に種結晶を中心に成長させていきます。種結晶は合成石の場合もありますが、天然石を使用する事があります。種結晶はこのようにうっすらと2本の平行な線で出てきます。

ちなみのこの石は余った合成石で作った遊びの石です
合成石もアクセサリーの世界で使用する商品ですので、色むらがあれば検品落ちの対象になります。
よってこの様なルースを作ってもアクセサリーで使用できないので、この石が量産されることは市場原理から言ってありません。

種結晶を利用して上手に宝石加工をすると、合成石に2相インクルージョンや結晶インクルージョンを入れる事も可能です。
但し、この作業は非常に手間暇がかかり、品質落ちで欠品になるので、量産の現場でされることはありません。
職人があそびで作ったルースが、宝石鑑定士にとっては非常に脅威になる事もありますのでご注意を、、、


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  1. 2017/01/16(月) 10:35:01|
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