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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

宝石研磨の難しさ

宝石研磨の仕事、、、、宝石研磨の難しさ

チャロアイトの原石を仕入れました。
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チャロアイトは三大ヒーリングストーンの一つで、パワーストーンの天然石ブレスレットとして人気があります。
一方で、ファセットカット等のルースや18金のリング等に製品化されたチャロアイトはあまり見かけません。

なぜ見かけないかというと、宝石の耐久力に難があり、宝石研磨加工が大変難しいからです。

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購入した原石をソーイング(原石割り)しましたが、原石割りの作業段階で次々と石が割れていきます。
宝石が割れる原因は硬度、靭性、劈開にありますが、チャロアイトは劈開に問題があります。

硬度とは傷つきやすさです。
宝石研磨の世界では、多少硬度が低くても、宝石研磨加工は可能です。しかし、硬度が低ければ面傷が出来やすいので、研磨終了後の保管中に石と石がぶつかる(石ずれ)などの原因により面傷が出来ることがあります

靭性とは衝撃に対しての弱さ、つまり、割れやすさの事です。
靭性の低い商品は、ぶつかった衝撃に大変もろく、石割れの原因になります。
エメラルドは硬度8と鉱物の中では高い方ですが、靭性が低く、簡単に欠けてしまいます。エメラルドの宝石研磨は加工の難易度が高いです。

劈開
宝石はある一定方向に割れやすい性質があり、これを劈開と言います。
ナイフでスパッと切ったような切り口で割れていきます。劈開性の強い石は簡単に割れてしまい、宝石研磨が大変困難です。
この様な石は耐久力に難があり、ファセットカットなどのルースにされることはあまりありません。

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このチャロアイトの原石は、ナイフで切ったような切り口で割れています。劈開が完全な石になります。劈開の割れやすい方向に少しでも力が入ると簡単に割れてしまいます。

一方で劈開の強い石でもテクニックを使えば研磨加工は可能です。
その場合、劈開がどの方向にあるかを観察するのが重要なポイントになります。
割れやすい方向を避けるように加工すると研磨することができます。原石を注意深く観察し、劈開方向に力が入らないように原石を割るのがコツです。

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チャロアイトのファセットカットが完成しました。

200gの原石を購入して、研磨方向を研究しているうちに9割以上割れてしまい、わずが5ピースしか加工する事が出来ませんでした。欠品率が非常に高い石のため、商品化するのが難しそうです。職人を訓練することによって、割れ率を少なくすることは可能ですが、チャロアイトは研磨技術の難しさのわりに、高額宝石としてに売れる石ではありません。対価を伴わない石ですので、この石の商品化はボツにすることにします。

現在、2種類の新しい原石の研磨方法を研究中です。研磨方法が確立すれば、当社に莫大な利益が伴います。
もちろん、加工が難しい石は他社での調達は困難になるので、私のクライアントにとっても競合他社と差別化を図ることができます。独占的に手に入れることができるので、営業上大きな武器になるはずです。

工場にとって大切なことは、クライアントを儲けさせることです。その為に良い石を探し、技術を磨きます。
クライアントにとって魅力的なルースを提供する事、それが優秀な石屋であり、宝石バイヤーなのです。

失敗すると恥ずかしいので、現時点では石名は申し上げられませんが、成功した暁にはクライアント様にご紹介しようと思っています。


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  1. 2018/02/16(金) 15:01:08|
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