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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

最近バンコクで流通している謎の天然ガラスの原石

バンコク宝石仕入れ情報、、、最近バンコクで流通している謎の天然ガラスの原石

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バンコクの宝石市場で見つけた天然ガラス(人工ガラス?)として販売されている原石

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バンコクの宝石市場で見つけた天然ガラス(人工ガラス?)として販売されている原石
表面に鉱物が付着しており、見た目は天然石の原石と区別がつきません。

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アフリカ人が天然ガラス(人工ガラス?) ナイジェリア産として販売しているブルーガラスの原石
六方晶系をしており、表面に鉱石が付着している

この画像の原石は、アフリカ人がナイジェリア産の天然ガラスとしてバンコクで販売していました。
原石の形状は六方晶系で、表面に岩石などが付着しており、一見すると天然の原石の外観をしています。
内部はクリーンで天然のインクルージョンは確認できません。

この原石が天然物なのか、人工物なのかは高度な分析器具を持ち合わせない当方では確認する事が出来ません。

しかし、当方の見解では限りなく人工物の可能性が高いと考えています。
理由として原石の形状が六方晶系である事です。六方晶系で産出する宝石はルビー、サファイア、エメラルド等があり、宝石の光学性は複屈折、一軸性の石になります。宝石学の基礎学問の一つである結晶学では、六方晶系は複屈折の石のみできるが、ダイアモンド、スピネル、ガラス等の単屈折性の石で六方晶系で産出する事はないと言われています。
これは私の憶測ですが、人工的に六方晶系に成型し、砂や鉱物などを接着剤などで接着したのではないかと考えています。一部の表面にエポキシ独特のテカテカ感があり、原石表面に気泡が僅かに確認できます。

パッと見た目は天然の原石と全く変わりません。
仮にこの石が私の予想通り人口物であったのなら、見事な加工品と言わざるえないでしょう、、、

ちなみに隕石系天然ガラスは結晶の形で産出する事はなく、下記のような凸凹した隕石風の形で産出します。
黒曜石系オブシディアンは、巨大なサイズで採掘されますが、バンコクの宝石市場では使いやすく平板状にスライスされて輸入されているので、採掘後の原石の状態を、私は見たことはありません。
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隕石系天然ガラスのモルダバイト、隕石が地表へ衝突した際に、地表の物質が熔融して形成された天然ガラスです。
隕石の衝撃で生じた熱と高圧で、その地域の岩石がガラス化した物と言われているので正確には隕石ではありません。

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隕石系天然ガラスのリビアングラス。表面に天然ガラス特有の凸凹がありますが、多くのリビアンガラスはツルットした表面が多いのが特徴です。

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隕石系天然ガラスのテクタイト モルダバイト同様に表面にでき凹感があります。隕石の衝撃と高熱によって、溶けて飛び散った地表の物質が急激に蒸発し、ディンプルと呼ばれる特有の凸凹感を持つのが隕石系の天然ガラスの原石形状です。宝石研磨加工すると、オニキスと見た目がソックリになります。

このブルーやグリーンの原石が人工物でないかと推測する第二の理由として、私の経験上、天然ガラスにブルーやエメラルドグリーンを見たことがないからです。最も、私の見識不足の可能性もあるので、高度な鑑別機材を使って検査しないと、最終決定は出来ません。一般的には天然ガラスとして宝石業界で流通しているのは、黒曜石系のオブシディアン、隕石系のテクタイト、モルダバイト、リビアングラスで黒、茶色、緑、黄色の4色になり、この原石の色とはハッキリと色相が異なります。

人口ガラスの着色原因は下記のとおりです。
緑 酸化クロム
紫 酸化マンガン
インクブルー  酸化コバルト
トルコ石ブルー 酸化銅
赤 ゴールド
黄色 酸化セリウム

この原石は酸化銅を使って着色した人工ガラスで、人工的に六方晶系にし、鉱石を接着剤を使って表面に天然風の原石のように仕上げた加工品と予想されます。

これらの原石を高度な分析器具を使って検査したものではないので、天然人工を確実に判断したわけではありません。宝石鑑定士としての結晶学の知識と、宝石バイヤーとして沢山の種類の原石を見てきた経験だけで判断しているので、もしかしたら私自身の思い込みで間違っているかもしれません。

この原石の価格はB TO Bの卸業者として守秘義務があるので公表できませんが、人工ブルーガラスの40倍の価格で販売されていました。最もアフリカ系原石業者は、価格交渉でファーストプライスを100倍の価格で吹っかけるツワモノも多いので、ファーストプライスが40倍では、あまり驚くほど高額ではなく、最終価格によっては、むしろ良心的かもしれません。

結晶学や宝石の着色原因等の科学的な知識は、宝石鑑定士としての基礎学問になり、宝石仕入れの現場では軽視されがちな学問ですが、時々役に立つこともあるのです。

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  1. 2018/10/10(水) 17:47:51|
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