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宝石研磨の世界

タイのバンコクで宝石研磨工場、宝石鑑別教室を経営してます。

合成ダイアモンドの考察

宝石鑑別教室、、、合成ダイアモンドの考察

CVD合成ダイアモンドが開発されて以降、20年間にわたり宝石業界で常に話題になっていたのは、合成ダイアモンドが、いつ宝石市場に本格投入されるかでした。宝石鑑別機関のセミナーでは、インド経由で大量製造されている、、中国でも大量製造されている、、等の情報が提供されており、宝石業界では合成ダイアモンドの大量供給が、いつはじまるかが大きな関心事になっていました。

しかし、日本の宝石業界で、不思議と合成ダイアモンドをマーケットで見かける事がありません。

バンコクや香港ジュエリーショウで、合成ダイアモンドの販売業者は2015年頃からブースを出しているのは報告されており、私のメールアドレスにも合成ダイアの販売目的のダイレクトメールが頻繁に来ていますので、購入ルートは確立されています。バンコクにはインド系合成ダイアモンドの専門業者がおり、50パー程度のメレーサイズからキャラ石まで販売しています。

バンコクの合成ダイアモンド販売業者によると、インドネシア、韓国、中国、インドなどのアジア系バイヤーが大量にメレーサイズを購入しており、一方で日本や欧米のバイヤーは合成ダイアモンドに全く興味を示さないようです。

日本で合成ダイアモンドの流通しない大きな原因は、最低取引ロットが200万円と非常に高く、値段も合成石の割りに高額すぎるのが原因です。ダイアモンドの類似石であるキュービックジルコニアが激安なため、シルバージュエリーのマーケットで絶大な支持を得ているのに対し、合成ダイアモンドは非常に高額なため、アクセサリー市場向けの商品に需要が全くありません。

ちなみに日本の宝石鑑別機関では、合成ダイアモンドの鑑別方法は既に確立されており、下記の分析器具を使用して判定しています。分析器具のそろった宝石鑑別機関の中で、誤鑑別をする可能性は非常に低いです。
・ FTIR(赤外分光分析)
・ 紫外–可視–近赤外分光分析
・ 顕微鏡下の詳細な観察
・ EDXRF(蛍光X線)分析
・ DiamondView™による観察
・ フォトルミネッセンス分析
・ ラマン分光分析

日本の正規ルートで、合成ダイアモンドが混入する可能性は極めて少ないと思います。正規ルートとは、インドやイスラエル等のダイアモンド宝石研磨地⇒ダイアモンド輸入業者⇒小売店のルートですが、0.2カラット以上のダイアモンドは日本に入荷した時点で、ソーティングと呼ばれる大手鑑別機関の天然ダイアモンドの検査と4Cの品質評価を経ているので、正規ルートで合成ダイアモンドが混入する可能性は極めて稀です。

正規ルート以外で、合成ダイアモンドが混入する可能性が高いのは、鑑別機関の検査があまり一般的でない中国や東南アジアなどの新興国の市場です。実際にバンコクの合成ダイアモンドの業者から直接聞いた話ですが、新興国のアジア系のバイヤーが大量に購入しているようです。これらの国のバイヤーは日本や欧米系のバイヤーと違い、コンプライアンスが極めて低く、金権主義で、宝石バイヤーとしてのプライドも低いのが特徴です。新興国のアジア圏でゴールドジュエリーを購入する場合は、合成ダイアモンドの混入の可能性があり、注意が必要になります。

最も、日本の宝飾市場で合成ダイアモンドが絶対に出回らないと言い切れるわけではありません。ダイアモンド卸業者を通した正規ルートでの混入は限りなくゼロに近いですが、中古品買取市場などで海外ジュエリーが持ち込まれた場合は注意する必要がありますす。合成ダイアモンドの対応策では下記の合成ダイアモンド判定機を使えば、非常に高い精度で合成ダイアモンドの判別する事が可能です。
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この判定機は7万円程度と安価な割に、現時点で製造される合成ダイアモンドをほぼ100%分別してくれます。

先日、NOBU宝石鑑別スクールに短期受講しにきた中古買取業者出身の受講生が、この合成ダイアモンド判定機を教室に持ってきてくれました。私の在庫で保有しているCVD合成ダイアモンドの在庫で検査してみたところ、100%の精度で合成ダイアモンドの分別が出来ました。

ちなみにキュービックジルコニアや合成モアッサナイト等の類似石も検査してみましたが、これらの石は判定不能でした。この機械は1型、2型(合成ダイアは2型のみ)の判定する機械の為、他の類似石はダイアモンドテスターなどの別の判定機に使用しないとならないようです。

受講生曰く、日本の宝石市場や古物市場で合成ダイアモンドや合成モアッサナイトを、買い取り業務で持ち込まれた例は極めて稀だそうです。買い取り業務で持ち込まれる類似石はキュービックジルコニアが大半との事です。

ちなみに私が保有している40ピースほどの合成ダイアモンドは、特別なルートで手に入れたものであり、本来であれば大量ロットで購入しなければならないところを、研究用に特別に少量で譲ってもらったものです。

現在、宝石業界でダイアモンドの類似石として出回っているのは99.99%キュービックジルコニアです。
GIAアメリカ宝石学協会の宝石鑑定士コースでは、YAG、GGG、合成ルチル、合成モアッサナイトなど、ダイアモンドに似ている全ての石の検査方法を学習していますが、キュービックジルコニア以外の石が宝石市場で見かけることは滅多にありません。

なぜ流通しないか、、、非常に簡単な事で、宝石鑑別機関で100%の精度で鑑別が出来る事、キュービックジルコニア以外の合成石の値段が非常に高いので、アクセサリー市場向けに価格面で使えないからからです。
YAGやGGGの原石価格はCZの10倍~20倍します。
合成モアッサナイトの原石価格はczの500倍以上です
合成ダイアモンドの原石価格は不明ですが、カット石の場合、合成ダイアはキュービックジルコニアの1万倍以上の単価をしています。

合成ダイアモンドのメレーサイズの市場投入を心配する方がいますが、天然ダイアモンドの百パーのメレーピース単価はガイ2万で200円、ガイ10万でも千円です。この価格は宝石研磨業者から見れば、地球上で最も高い硬度を持つダイアモンドの工賃価格としては極めて安すぎます。更に,5%程度の利ザヤしか取れないと言われているダイアモンド卸業界では、ガイ2万のメレーで10円、ガイ10万で50円の利益しか出せない環境で、合成ダイアの市場投入のは可能性が低く、つけいるすきはほとんどないと思います。

更に天然合成のコンプライアンスの非常に高い日本の宝石業界で、合成ダイアモンドが流通する可能性は非常に低いと思います。

天然と同じ硬度や性質を持つ合成ダイアモンドが、キュービックジルコニアと同額で販売される事は、研磨技術や手間を考えると絶対にありえません。

AGL日本鑑別団体協議会傘下の宝石鑑別機関では、合成ダイアモンドの分別方法は確立しているので、鑑別書のあるダイアモンドはまったく問題ないと思います。しかし、宝石卸業者間では、仮に百万個に1個の割合しか混入の可能性がなくても、念のため、合成ダイアモンドの判定機で事前チェックも必要になるでしょう。

NOBU宝石鑑別スクールの授業では、合成ダイアモンドの鑑別方法も教えています。更に、4Cの品質評価法のテクニックや、見識の高いダイアモンド専門業者から購入するなど、正しい仕入れルートの確立方法も教えています。

https://www.fonscollection.com/   株NOBU&FONS COLLECTIONのサイト
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  1. 2018/11/19(月) 11:14:12|
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